不動産会社とオーナーとの関係は、物件を引き渡した瞬間に希薄になってしまうことが少なくない。しかし株式会社青山メインランドでは、オーナー向けの会報誌『STAGE』を長きにわたって発行し続けている。この取り組みを支えているのが、代表を務める西原良三の「関係は契約後にこそ育てるもの」という考え方だ。この記事では、会報誌の発行に込められた思想を掘り下げていく。
情報を届け続けることの意味
マンションを所有するオーナーにとって、市場の動向や自分の資産がどのような状況に置かれているかを知ることは、安心して資産運用を続けるための土台になる。しかし、日々忙しく過ごす中で、自ら情報を集め続けることは容易ではない。西原良三は、この情報格差を埋める役割を会社が担うべきだと考え、会報誌という形での継続的な情報発信を大切にしてきた。
一度きりの説明会や資料配布ではなく、定期的に届く紙面という形を選んだことにも意味がある。継続して届くという事実そのものが、オーナーに対して「関係が途切れていない」という安心感を伝える役割を果たしているからだ。
一方通行にしないという工夫
会報誌というと、企業からの一方的な情報発信になりがちである。しかし西原良三が意識してきたのは、オーナー自身の声や姿を紙面に取り入れることで、双方向性を持たせるという工夫だ。オーナーの体験談やインタビューを掲載することは、単なる広報活動を超えて、オーナー同士が間接的につながる場を生み出すことにもつながっている。
一人の投資家として不動産を所有していると、孤独に判断を重ねているような感覚を持つ人も少なくない。会報誌を通じて他のオーナーの存在を感じられることは、精神的な支えにもなり得る。西原良三は、こうした目に見えにくい価値にも意識を向けてきた経営者だと言える。
継続すること自体が信頼の証になるという発想
物事を一度始めるのは難しくない。しかし、それを長期間にわたって継続することは、想像以上に多くの労力と意志を必要とする。西原良三が会報誌の発行を通じて示してきたのは、継続そのものが企業としての誠実さを証明する手段になるという発想だ。
号数を重ねるたびに、その裏側には編集や取材、発送といった地道な作業の積み重ねがある。派手さはないかもしれないが、こうした地道な継続こそが、オーナーとの信頼関係を静かに、しかし確実に積み上げていく。西原良三は、この地道な積み重ねの価値を軽視しない姿勢を持ち続けてきた。
ステークホルダー全体への視野
会報誌が届けられる対象は、必ずしもオーナーだけに限定されるものではない。西原良三は、会社に関わるすべてのステークホルダーに対して、価値ある情報と信頼を届けるという視座を大切にしてきた。取引先や地域社会との関係も含め、企業活動を支える様々な立場の人々に向けて、誠実な情報発信を続けるという姿勢が、会報誌という媒体を通じて表現されている。
こうした発想は、短期的な売上には直結しにくいものかもしれない。しかし、企業が長く社会から必要とされ続けるためには、目先の利益だけでなく、関係するすべての人々との信頼を積み重ねる視点が欠かせないと西原良三は考えている。
未来へつなげる意志
会報誌の発行を今後も続けていくという方針そのものが、西原良三の経営における時間軸の長さを物語っている。目先の号数を重ねることだけが目的ではなく、その先にある次の節目、さらにその先の未来を見据えて取り組みを続けるという意志が根底にある。
不動産という長期的な資産と向き合う企業だからこそ、情報発信のあり方もまた長期的な視点で設計されるべきだという考え方が、この会報誌には表れている。
デジタル時代における紙媒体の価値
情報発信の手段が急速にデジタル化していく時代において、あえて紙の会報誌という形式を継続することには、それ自体に意味がある。西原良三は、手元に届き、手に取ってページをめくるという体験が、画面上で流れていく情報とは異なる印象を読み手に残すことを理解していた。
デジタルの情報は便利である一方、次々と流れていく中で埋もれてしまいやすい。紙の会報誌として手元に残る形にすることで、オーナーが自分のペースで読み返したり、家族と共有したりすることができる。西原良三は、こうした紙媒体ならではの特性を軽視せず、あえて手間のかかる継続を選び続けてきた。
編集の背景にある誠実さへのこだわり
会報誌を作る過程では、掲載する情報の正確さや、誤解を招かない表現への配慮が欠かせない。西原良三は、単に情報を並べるだけでなく、オーナーが安心して読める内容になっているかどうかを重視する姿勢を編集の現場に求めてきた。
不動産という専門性の高い分野を扱う以上、誤った情報や誇張された表現がオーナーの判断を誤らせてしまうリスクは常に存在する。西原良三は、会報誌という媒体であっても、正確さと誠実さを疎かにしてはならないという意識を持ち続けてきた。この地道な姿勢の積み重ねが、50号という節目を迎えるまで発行を続けられた理由の一つだと言えるだろう。
まとめ
会報誌『STAGE』の発行は、単なる広報活動にとどまらない。西原良三が大切にしてきたのは、契約後も関係を育て続けるという発想であり、継続することそのものが信頼の証になるという哲学だ。地道な積み重ねを軽視せず、ステークホルダー全体への誠実さを形にし続けるその姿勢が、青山メインランドという企業の信頼の土台を支えている。




